奥久慈大子七福神巡り
「奥久慈大子七福神巡り」は自然豊かな大子町を一周しながら七福神をお祀りする古寺をめぐる、車で約3時間半のコース。各寺院の静かな佇まいと季節の草花が、訪れる人をやさしく出迎えてくれます。どうぞ、ごゆっくりとご参拝の上お楽しみください。
長福寺(寿老神)
健康・長寿の神
福禄寿と同じく星世の化身で、中国の神聖な仙人。鹿を伴ったお姿で知られています。
寿老神に従っている鹿は、千年を経たアオ鹿から更に五百年経たクロ鹿で、その肉を食べると二千年の寿命が保てるといわれ、杖を持ち、鹿を伴う寿老神は、にこやかにほほえみをたたえるお姿で健康で長命を保ち、安らかな往生を授けられるといわれています。
龍泰院(布袋尊)
福徳・円満の神
中国の唐の時代の禅僧で、その名を契此といい、七福神の中では唯一実在した人物です。
額が広くてお腹は大きく、福々しい耳を持ち、いつも杖と大きな布袋を持ち歩き、布袋和尚とも言われ吉凶晴雨を予知したといわれています。どんな時でも笑顔をもって人に接する態度、しっかりした意思を持ち、世の中の清も濁もあわせ呑み込む大きなお腹をしています。宝物のいっぱい入った袋を背負い、財宝を限りなく与えてくれる神様です。
実相院(福禄寿)
長寿・立身出世の神
※現在参拝中止
寿老神と同じように、星世の化身で、中国の神聖な仙人です。
南極老人と言われ、背が低く、頭が長く、あごに立派なひげをたくわえています。年齢千年の仙人で、絶えずほほえみを浮かべ、大きな耳たぶの見事な福相をしています。長寿のしるしの鶴と亀を従え、右手には宝珠を持っています。これは財を与え、子供たちに知恵と立身出世を、また長命を授けるしるしといわれています。
慈雲寺(大黒天)
五穀豊穣の神
日本神話に登場する大国主命と読み方が同じであり、御神徳が似ているところから慈悲深く高貴を授ける神様として信仰されています。大黒天は仏法の守護神として崇められていたインドの神様で、仏教と一緒に中国を経て日本に伝わりました。
福袋と打出の小槌を持った姿で米俵にまたがる大黒天ですが、大子の大黒天は、顔が三つ(弁財天・毘沙門天・大黒天)あり、”三面大黒天”とも言われています。
高徳寺(恵比寿)
漁業・商売繁盛の神
「えびす様」の愛称で呼ばれるように、その福徳は神慮のこもった両手に示されています。
左手に抱えている鯛はメデタイを表し、商売繁盛、無病息災、家内安全、交通安全など、すべてのめでたいことを授ける心を表現しています。
性徳寺(毘沙門天)
勇気・商売繁盛の神
もとはインドの神様で梵名をヴァイシュラヴァナと言い、「多聞天」とも呼ばれています。持国天、増長天、広目天と並ぶ、四天王の一尊であり、武神です。
三界に余るほどの宝を持ち、善い行いをした人達にそれを与えますが、あいにく世の中にそういう人が少ないので宝が余って毎日焼き捨てているということです。左手に宝塔を持ち、右手に宝剣を持ち、厳しい顔で勇気を与え、笑顔と財宝とを授けてくれる神様です。
永源寺
芸能の神
七福神のうち紅一点の弁財天は、そもそもインドの神様でもとは水の神様です。日本に伝来してから弁舌や音楽を司る芸能の神として信仰されました。
弁舌の神で、知恵や学問は福財をもたらしてくれることから財宝を与えてくれる神としての信仰ができました。それまで「弁才天」と書かれていたのが「弁財天」となり、福の神の仲間入りをしました。大子の弁財天は、手が八臂(はっぴ)あるところから”八臂弁財天”とも言われています。