袋田の滝四季の見どころ

春夏秋冬、あざやかな季節の色彩に抱かれる袋田の滝。四季折々の大自然の色彩と雄大な滝の姿が織りなす光景は美しく見応えがあります。新芽の萌える緑に縁どられた春、涼やかに水しぶきが踊る夏、あでやかな紅葉が滝を彩る秋、厳しい寒さで滝が凍結する冬と、袋田の滝は四季折々に姿を変えていきます。

目にも鮮やかな新緑の季節

氷壁が溶け出して滝川のせせらぎが音を立てて流れ出すと、春の訪れです。とうとうと清らかな水をたたえる滝を囲む木々の葉が次々と芽吹き、山肌をいきいきとした緑で包んでいきます。木々の緑に縁どられた滝の姿と清らかな水音が織りなすハーモニーをお楽しみください。

新緑と滝を楽しめるこの季節は、ハイキングにぴったり。木々の緑と滝の競演を楽しみながら山道を歩く月居山ハイキングコースがおすすめです。袋田の滝の上流にかかる生瀬滝へもぜひ足をのばしてください。

滝のしぶきと水音がここちよい季節

抜けるような青空と深い緑のコントラストが目にも鮮やかな盛夏は、白糸を引きながら落ちる滝の姿もいっそう引き立ちます。陽光を浴びてダイナミックに踊る水しぶきは時に鮮やかな虹を描き、訪れる人を魅了します。水しぶきと水音に涼を感じながら、夏の観瀑はいかがですか。

70メートルを超える横幅を誇る袋田の滝は、迫力ある水の流れが魅力のひとつ。雨で水量が増えるとさらに勢いが増し、観瀑台にまで水しぶきが飛んでくるほどの迫力が楽しめます。

モノトーンの岩壁を紅葉が染める季節

色とりどりの紅葉が渓谷を飾る秋の景観もまた格別です。極彩色に色づいたモミジやカエデと、純白の瀑布が織りなすコントラストが美しく、まさに大自然が生み出した芸術作品。自然の手によるこの豪華な風景画に、人々はただ息を呑むばかりです。

紅葉の中を流れ落ちる滝が情緒を感じさせる秋の景色。平安時代の歌僧・西行法師はこの美しい光景を前にして「花もみち経緯(たてよこ)にして山姫の錦織出す袋田の瀧」と詠い、その魅力を称えたと言われています。

秋から冬へ、季節が美しく移ろう時期の風物詩

大子町の冬の風物詩としてすっかりお馴染みとなったライトアップイベント。高さ120メートル、幅73メートルの雄大な滝がライトに照らされる姿は胸を打つ美しさで、日中に観る滝とはまた違った趣きがあります。自然と光がつくり出す神秘の空間が、袋田の滝の新たな魅力を発見させてくれるでしょう。

ミラーボールの光が舞う袋田の滝観瀑トンネル内は、まるで万華鏡の中に迷い込んだよう。幻想的な光のトンネルを抜けると、雄大に落ちる滝の流れが荘厳な墨絵のように浮かび上がる光景へと辿り着きます。

静寂にて荘厳、氷結の滝となる季節

厳しい寒さが続くと、滝全体が真っ白に凍結した「氷瀑(ひょうばく)」を見ることができます。近年では完全凍結することは少なくなりましたが、7割ほどの凍結でも普段とは違った表情を見ることができます。滝の凍結は陽がのぼるにつれ溶けていくため、氷瀑鑑賞に訪れるなら気温の低い朝方がおすすめです。

最近では、2012年に完全凍結した袋田の滝。完全凍結するのはじつに6年ぶりで、ピッケルを片手に氷壁にのぼるアイスクライマーの姿も話題となりました。また、氷瀑とあわせて久慈川の「氷花(しが)」もぜひ観賞してみてください。

大子町観光協会